クラシック馬を破る

アングロアラブが中央競馬から姿を消してすでに10年以上の月日が流れました。
戦前から戦後の黎明期にかけて日本フェアリーSを支えたのはまさしくアングロアラブでした。
しかし、サラブレッドの頭数が確保されて質や育成技術が向上してくると、
そのスピードの差が歴然となり人気にも差が出てくるようになってきたのです。
当初はアングロアラブがサラブレッドに勝つような事もあるにはありました。
終戦の年に産まれたタマツバキはサラブレッド戦に2回出走して1勝と3着1回。
生涯75戦35勝という記録は、戦後の日本競馬を引っ張った偉大な足跡です。
また、アラブ最強のセイユウはサラブレッド戦の重賞を3勝し、
当時のクラシック馬を破るという信じがたいものでした。
今ではサラブレッドとアラブは芝2000mでは4〜5秒のタイム差があると言われます。
いかにセイユウの能力が飛び抜けていたかが分かろうというものです。
しかしいかんせん時とともにアラブ競走は衰退の一途をたどり、
1995年には中央シンザン記念から完全に姿を消しました。
私が競馬を見始めた頃はまだ若干のアラブ系競走が開催されていましたが、
「アラブ系とは何なんだろう?」という疑問が解けないまま廃止されてしまいました。
今にして思えば戦後の苦しい時期を裏から支え続けたアングロアラブの最後の灯だったのです。
今でもアングロアラブ種自体は細々とつながっています。
サラブレッドよりも丈夫で、持久力もあり重い斤量にも耐えることが出来ます。
単なるセンチメンタルであることは否定しませんが、
アングロアラブの血がこれからも長く続いて欲しいというのは正直な気持ちです。

Comments are closed.